本格焼酎のラベルに大きく書いてある「原酒」の文字、気になったことはありませんか?
本格焼酎の原酒はアルコール度数が高いため、冷凍しても凍ってしまうことはありません。凍らせることでとろみが出て、独特の口当たりになるのです。
そこで今回は、本格焼酎の原酒について、冷凍や冷凍以外の楽しみ方などをまとめて解説します。
本格焼酎の「原酒」とは
本格焼酎の「原酒」とは、蒸留したあとに、水や別の焼酎をブレンドしていないものを指します。まさに、薄めず何も加えていない「そのまま」の焼酎なのです。
蒸留したての本格焼酎の原酒は、40度程のアルコール度数がありますが、一般的な焼酎はそこに割り水が加えられ、25~30度程度に調節されています。
しかし原酒として店頭に並んでいるものは割り水でアルコール度数の調整をしないため、37~45度と、やや高め。そのため、口に含むとガツンとした「お酒感」があります。
しかし、その一瞬の強さの裏側には、原酒ならではのコクや原料の深い香りを感じることができるはずです。
原酒をおいしく飲もう!おすすめの飲み方は?
本格焼酎の原酒を手に入れたら、ぜひともそのおいしさを最大限に味わってみてください。
原酒そのものの味わいをじっくり楽しむなら
まったく混ぜ物がされていない原酒は、その本格焼酎本来の味わいが、一滴一滴に凝縮されています。
せっかく割り水がされていないのだから、あえて水を足したくない……という場合は、まずはストレートで。おちょこやショットグラスに原酒を注ぎ、ゆっくり口に含みましょう。原酒ならではのクセや、深みのあるコクを味わうことができます。
また、常温の水を加える「トゥワイスアップ」もおすすめ。
トゥワイスアップは、ウイスキーに同量の水を加えて香りを開かせる飲み方として知られています。
本格焼酎の場合は、ストレートの原酒にまずは少量から、自分の好みになるまで水を入れてみましょう。
そのまま飲むとキツく感じられる場合がある原酒ですが、水を足すことで、味に丸みが加わります。また香りもパッと開くので、はじめはストレート、グラス半分まで飲んだらトゥワイスアップ……というように、味わいの変化を楽しむこともおすすめです。
割り水は、水道水ではなく、ミネラルウォーターや天然水を使いましょう。
おいしい水が、原酒の甘みを一層引き出してくれます。
原酒ならではの凝縮した味わいを生かすなら
そもそも濃厚な味わいの原酒ですから、あえて割り材を足しても、その良さが失われません。
シンプルにソーダ割りで楽しむのも良いですし、カクテルベースにもぴったりです。
通常の焼酎なら「ちょっと薄いかな」と感じる量でも、原酒を使うことによって香りや濃さをしっかり残したまま飲むことができるからです。
またシークワーサーやグレープフルーツを搾ると、原酒の複雑な味わいに柑橘類の苦みが程よく足されるので、「大人の一杯」に仕上がります。
原酒は冷凍してもおいしい?
アルコール度数の高い蒸留酒や日本酒 を凍らせて飲むスタイルを「パーシャルショット」といいます。度数の高い原酒は、冷凍庫に入れておいても完全に凍ることはありません。
冷凍庫から出した瓶には白い霜が張られていますが、グラスに注ぐと、原酒がとろりと粘度をもって流れ出します。
冷たさで味わいが麻痺することもなく、原酒の旨味が凝縮され、何ともいえないまろやかな口当たりに変化するのです。
パーシャルショットにするには、なるべく度数の高いお酒が必要です。
そのため、本格焼酎の原酒でも、40度近いアルコール度数のものを選ぶようにしましょう。
パーシャルショットを楽しむときは、小さなショットグラスで、くいっと口に流し込んでみてください。ぬるくなってしまっては、おいしさが半減してしまいます。
しかし、冷たくて口当たりがいいため、つい杯を重ねてしまうことも……。飲み過ぎにはくれぐれもご注意ください。
おわりに
本格焼酎の原酒は、加水やブレンドがされていない状態で出荷されます。そのため、「アルコール度数が高い、キツいお酒」と思われることもありますが、本格焼酎の原料の深みが一番感じられる状態ですから、一度楽しんでみてはいかがでしょうか。
飲み過ぎに注意しながら、トゥワイスアップや冷凍など、さまざまな飲み方で原酒を味わってみてくださいね。
日本酒造組合中央会
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