1. 株式会社 正春酒造(宮崎県)|逢初

  2. 常楽酒造株式会社(熊本県)|秋の露 蔵のこだわり

  3. 大島酒造株式会社(長崎県)|磨き大島

  4. 太田酒造株式会社(滋賀県)|単式焼酎 琵琶之誉 金時芋

  5. 松の泉酒造合資会社(熊本県)|吟醸酵母仕込 水鏡無私

  6. 姫泉酒造合資会社(宮崎県)|本格芋焼酎 無濾過御幣~紅雲~25度720ml

  7. 有限会社 渡辺酒造店(岐阜県)|わたなべ35

  8. 鷹正宗株式会社(福岡県)|本格麦焼酎(長期貯蔵) 筑紫の坊主

  9. 有限会社 山の守酒造場(長崎県)|山乃守

  10. 合資会社光武酒造場(佐賀県)|芋焼酎 お前はもう死んでいる

  11. 古澤酒造株式会社(山形県)|雪原 極上米焼酎

  12. 株式会社 宮本酒造店(石川県)|本格加賀丸いも焼酎 のみよし

  1. 飲めるお店紹介

  2. 蕎麦

  3. 居酒屋

  4. Bar

  5. 寿司・刺身

  6. 焼肉

  7. 日本料理

  8. 焼き鳥

  9. すき焼き

本格焼酎・泡盛のニューウェーブ 本格焼酎・泡盛の楽しみ方 蔵元紹介

九州の酒蔵を駆け巡った世界のトップバーテンダーたち

世界のソムリエが日本酒のブランド力を高めたように、本格焼酎と泡盛の伝道師として期待されるのが、専門的な知識をもったバーテンダーです。昨年、海外のトップバーテンダーを招聘したツアーが再開し、輸出促進に向けた動きが活況になっています

バーテンダーが巡る大分、熊本、鹿児島の酒蔵ツアー

コロナ禍の間中断していた蔵元招聘ツアー。日本酒造組合中央会が、海外における本格焼酎と泡盛の認知度を高め、プロモーションにつなげるために、世界のトップバーテンダー7名を招聘。再開した5回めとなるツアーは、2022年10月29日から1週間かけて、福岡から大分、熊本、鹿児島の8か所の酒蔵を巡り、交流を深めました。

熊本・球磨の六調子酒造の池邉社長の話を熱心に聞きながら、米焼酎の仕込みを見学。
大分・三和酒類 いいちこ日田蒸留所では、ずらりと並んだ樽の熟成倉庫を見学。
大分・クンチョウ酒造では、伝統的な粕取焼酎を見学。日本酒の仕込みから蒸留までの流れを追って見学。タンクから立ち上がるもろみの香りに興味津々。
展示している古い蒸留器を説明する鹿児島・神酒造の神孝輔社長。どこの蔵でも質問が多かったのが酒蔵ごとに違う蒸留器の形や形状でした。
メンバーの中心的存在、ベーコンバーボンの開発者として知られ、アメリカのカクテル業界トップクラスにいるドン・リー氏。

世界のバーテンダーたちが語る本格焼酎の可能性とは

ツアーを巡った2人のバーテンダーに、本格焼酎の可能性についておたずねしました。

ニューヨークにあるBar Gotoのオーナー、ゴトウ・ケンタさんは、日本生まれのアメリカ育ち。2022年のUSベストバーにノミネートされるほか、2022年のUSベストバーにノミネートされるなど、注目のバーテンダーです。

「焼酎は普段から飲んでいますが、焼酎が造られる工程について、実際に足を運んで見学したことがありませんでした。YOUTUBEなどの動画で見るのではなく、実際の現場で見ると、何かパワーを感じます。今回のツアーで、酒蔵の匂い、温度、湿度、音など、すべてを体感できてよかったです。

とりわけ樽の熟成焼酎に関心があったのですが、自分が想像していたよりも多くの蔵がすでに行っていることを知りました。希望通りの樽を簡単に入手できないという現状も。限られた選択肢の中から選んだ樽でも、満足度の高い焼酎を造り出す、酒蔵のみなさんの姿勢に心から尊敬です。

今回、実際に造りを見て一番インパクトに感じたことは、焼酎を造っている人々の情熱です。そしてその情熱から生まれる職人技。加えて、原材料や麹によって味わいが変わること。世界の他のスピリッツに比べて、その変わる幅が大変広いことに驚きました。

焼酎はとても奥の深いスピリッツであるという事実を、もっと海外の人々は知るべきだと思います。さらにハナタレなど高度数の焼酎は、テキーラやメスカルとも肩を並べる存在であってほしいです」。

続いて、世界で最も先進的なバーの1つ“Death&Co”のアレックス氏。ニューヨークをリードする話題のカクテルバー“Death&Co”のオーナーとして、蒸留酒業界に影響力があり、つねに最先端に目を向けていることで定評のあるバーテンダーです。

「製造技術をもっと知りたい、いろいろな種類の焼酎を飲んでみたいというのが、来日の一番の関心でした。焼酎が何であるかは理解しているつもりでしたが、酒蔵を巡ってみて、じつはほとんど何も知らなかったんだと実感しました。

世界の蒸留酒の多くは、ベースとなる原料が共通していて、発酵や蒸留、熟成の方法が似ているのでわかりやすいんです。焼酎はそう簡単に理解できるものではなく、軽快でクリーンなものからファンキーで複雑なものまで、あらゆる焼酎がある。その中から選べることに私は最も興奮を覚えています。バーテンダーとして、このことが自分のクリエイティビティにとってどれほど刺激的であるか! 

今回、伝統に忠実な造り手、革新的な造り手、歴史と未来にまたがる造り手など、代々受け継がれてきたものを受け継いでいる人たちに出会いました。焼酎の多様性を探究することはとてもエキサイティングなことですが、何世代にもわたって受け継がれてきた焼酎造りがいかに個人的なものであるか痛感。ファミリーと焼酎がいかに絡み合っているのかに、私は深く感銘を受けました。

アメリカに輸入されている焼酎は日本で生産されている焼酎のごく一部でした。焼酎はもっと複雑は幅広いものであることを知りました。そのことは、蒸留酒のプロとして、長い間失っていた宝物を発見したよう! 実際に酒蔵に訪れることで、全く新しい世界が広がり、すでに次の来日が待ち遠しいです」。

本格焼酎と泡盛は、世界で親しまれる”SHOCHU&AWAMORI”へと踏み出したばかり。招聘ツアーで廻ったバーテンダーたちの活躍をきっかけに、本格焼酎と泡盛の魅力を知る人が増えることが期待されます。

文・神吉佳奈子

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