麦は、お酒の原料として古くから重宝されてきた穀物です。醸造酒であるビールと麦焼酎の違いは何となく分かっても、同じ蒸留酒である麦焼酎とウイスキーの違いは、はっきり答えられる方は少ないかもしれませんね。
そこで今回は、麦焼酎とウイスキーの違いや、麦焼酎のおすすめアレンジなどをご紹介します。
麦焼酎とウイスキーの違いは?
麦焼酎とウイスキーの1番分かりやすい違いは、その「色」でしょう。
ウイスキーが琥珀色なのに対し、一般的な麦焼酎は無色透明です。
実は、麦焼酎もウイスキーも、蒸留後の段階は同じような透明の液体です。しかしウイスキーは木の樽に長期間貯蔵するため、樽の成分が酒に溶出して琥珀色になっていくのです。
そして、麦焼酎とウイスキーの味に関わる大きな違いに、「蒸留回数」と「発酵方法」があります。
麦焼酎の蒸留は1回、ウイスキーは2回
ウイスキーは、2回蒸留されます。
お酒は蒸留すればするほど、アルコール度数が高くなります。ウイスキーは種類によってはアルコール度数が60度にもなるものがありますが、これは2回の蒸留に由来しています。
それに対し、麦焼酎の蒸留は1回です。
その蒸留で、40度ほどの原酒ができあがります。
麦焼酎は「麹」を発酵に使う
ウイスキーは、大麦などを発芽させ、その酵素によりデンプンを糖化させてからアルコールを造り出します。
麦焼酎は、同じ大麦が使われているものの、発芽した穀類は使わず、大麦に米麹または麦麹を加えて造られます。
大麦のデンプンは発酵性ではないため、そのままではアルコールになりません。そのため、麹を使ってデンプンを発酵させるのです。米麹を使う場合は米の甘み、麦麹を使う場合は麦のすっきりとした味わいが特徴の麦焼酎に仕上がります。
麦焼酎は初心者にも飲みやすいお酒!
麦焼酎は、麦特有のふんわりとした穀物の香りがします。飲み口がすっきりしていて、飲みやすいものが多いことも特徴です。
本格焼酎らしいコクの中にも、まろやかさがある麦焼酎は、本格焼酎を飲み始めたばかりの初心者にもおすすめです。
ウイスキーが好きな方には熟成酒がおすすめ
軽やかさが特徴の麦焼酎ですが、「ウイスキーが好き」という方には、長期間寝かせた「熟成タイプの麦焼酎」がおすすめです。
ウイスキー独特の香りは、木の樽からバニリンなどの熟成成分を取り込み、また気候や土地の特性の影響も受けて出てくるものです。
一般的な麦焼酎はそのままでもおいしく飲めるため、ホーローやステンレスのタンクで貯蔵し、ウイスキーのような熟成の仕方はしません。しかし、酒蔵によっては、木の樽で長期間熟成させることで、ウイスキーのような芳醇でスモーキーな味わいの麦焼酎が造られています。
麦焼酎のおすすめアレンジ
麦焼酎は、クセが少なく飲みやすいことから、さまざまなアレンジで楽しむことが可能です。
ベーシックなロック、水割りやお湯割り、また麦茶割りやソーダ割りなどで飲み慣れてきたら、ぜひお好みのアレンジを探してみてください。
柑橘類でアレンジする
麦焼酎は、本格焼酎の中でもっとも柑橘類との相性が良いとされています。
軽く飲むなら、グレープフルーツやオレンジジュース割りで。
ドライに楽しむなら、麦焼酎のロックにたっぷりのレモンやカボスを絞ってみてください。
甘いカクテルにするなら、フルーツ系のリキュールやシロップを加えてもおいしくいただけます。
大葉、キュウリなどで味にアクセントを付ける
麦焼酎を水割りやロックで飲む方に好まれる飲み方です。
大葉を入れるとさわやかに、キュウリを入れるとメロンのような風味が感じられ、味にアクセントを付けてくれます。
このほかにも、梅干し、唐辛子などを入れる飲み方もあります。
おわりに
クセがなくあっさりしたイメージの麦焼酎ですが、飲みやすいだけではなく、本格焼酎ならではの味わいを楽しめることが分かりました。
麦焼酎は、居酒屋や飲食店メニューの定番でもあります。家で楽しむ際や外食時など、いろいろな飲み方を試して、お気に入りのアレンジを見つけてみてくださいね。
日本酒造組合中央会
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