「本格焼酎・泡盛」が好きで2020年に本格焼酎応援WEBメディア「RANBIKI」を立ち上げ、その魅力を発信している焼酎専門家 河野 亜樹穂さんに、「オン・ザ・ロック」の楽しみ方についてご紹介していただきます。
皆さん、こんにちは!本格焼酎・泡盛専門家の河野亜樹穂です。
今回も焼酎ビギナーの皆さんにオススメの銘柄と飲み方をご紹介します。
第4回となる今回はグラスと氷だけでできる「ロック」についてご紹介します!
①焼酎ビギナーはフルーティーな香りとパワフルな味わいを楽しめるフルパワ焼酎でロックを飲もう!
「ロック」と聞くとウイスキーをイメージされる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ウイスキーといえば長期間樽熟成された茶色が特徴ですよね。実は本格焼酎・泡盛でも「長期熟成」「樽熟成」されているものが増えています。長期貯蔵されることで味がまろやかになり、より深みのある味わいに仕上がります。「樽熟成」で樽の香りが加わると本格焼酎の素材の旨味もより感じられます。このように本格焼酎・泡盛の素材の風味に樽熟成によるフルーティーな香りが加わることで、よりパワフルな味わいを楽しめる本格焼酎・泡盛を私は「フルパワ焼酎」と呼んでいます。
また、本格焼酎・泡盛は3年以上貯蔵されるとラベルに「長期貯蔵」と記載でき、沖縄では泡盛の長期貯蔵酒は「古酒(クー
ス)」と呼ばれ、親しまれています。沖縄の一般家庭では100年以上貯蔵した「古酒」をお祝いの時に飲む文化もあるそうです!
長期間貯蔵された「古酒」はとっても甘い香りとまろやかな味わいを楽しめるのだとか。
長期貯蔵された本格焼酎、泡盛と蒸留してすぐ瓶詰めされた新焼酎と比較試飲をすると自分の好みの味わいが見つかるかもしれません。オン・ザ・ロックでは、フルーティーな香りでパワフルな味わいの「フルパワ」な本格焼酎・泡盛をオススメします。
<“オン・ザ・ロック”にお勧めの銘柄例>
左 【六調子酒造】『ろくちょうし あか』味わい:深い樽の香りと米の優しい甘みが楽しめる
中 【ゑびす酒造】『らんびき25』味わい:バニラのような甘い香りとスッキリした麦の甘みが楽しめる
右 【菊之露酒造】『菊之露 V.I.P ゴールド』味わい:スッキリとした口当たりと芳醇な香りを楽しめる
<味わい別4つの指標>
②「オン・ザ・ロック」のつくり方~家飲みは氷にこだわってもいいかも!~
これまで4回にわたり本格焼酎と泡盛の飲み方を提案しましたが、なぜ、ロックアイスを毎回使用しているのか。製氷機の氷でもいいのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれないので、氷について少しお話できればと思います。
ご家庭の製氷機で氷をつくる時は、おそらく、多くの方は水道水でつくられるのではないでしょうか。水道水は、ミネラル・カルキなどが含まれています。飲み水として飲むには問題ないですが、お酒を飲むときの氷として使う場合にはこれらの成分が溶け出して本格焼酎・泡盛の風味を損ねてしまう可能性があります。
また、氷の溶けるスピードも早いため、本格焼酎・泡盛の風味が薄まったように感じてしまうかもしれません。
一方、市販されているロックアイスは、「ミネラルやカルキといった不純物が一切入っていないこと」が特徴です。不純物が一切入っていない氷は、お酒の風味を損なわずにゆっくりと溶けます。
溶けにくいという点では、丸氷を使うのもおすすめです。お酒と触れる表面積が大きいと当然溶けやすくなりますが、丸氷は接する場所が少ないので溶けにくくなります。ご家庭でも作りやすい容器などが出ているので、ミネラル分の少ない軟水を使って作ってみるのもいいかもしれません。外で飲める機会が減っていますので、よい気分転換になるかも?
「オン・ザ・ロック」は本格焼酎・泡盛の風味を活かしつつ、アルコールの刺激を和らげてくれます。
ストレートで飲みたいけど、ちょっとアルコールの刺激が強いかも‥と思った際にも試してみてくださいね。