1. 株式会社 正春酒造(宮崎県)|逢初

  2. 常楽酒造株式会社(熊本県)|秋の露 蔵のこだわり

  3. 大島酒造株式会社(長崎県)|磨き大島

  4. 太田酒造株式会社(滋賀県)|単式焼酎 琵琶之誉 金時芋

  5. 松の泉酒造合資会社(熊本県)|吟醸酵母仕込 水鏡無私

  6. 姫泉酒造合資会社(宮崎県)|本格芋焼酎 無濾過御幣~紅雲~25度720ml

  7. 有限会社 渡辺酒造店(岐阜県)|わたなべ35

  8. 鷹正宗株式会社(福岡県)|本格麦焼酎(長期貯蔵) 筑紫の坊主

  9. 有限会社 山の守酒造場(長崎県)|山乃守

  10. 合資会社光武酒造場(佐賀県)|芋焼酎 お前はもう死んでいる

  11. 古澤酒造株式会社(山形県)|雪原 極上米焼酎

  12. 株式会社 宮本酒造店(石川県)|本格加賀丸いも焼酎 のみよし

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【祭りと焼酎】神々と交わす炎のかっぽ酒(夜神楽/高千穂)

九州南東部に位置する宮崎県。いずれも焼酎の産地である熊本県、大分県、鹿児島県と接する宮崎県もまた、上質な本格焼酎の地として知られています。その宮崎県の北端に位置する高千穂は、祖母山や親父山など、1000m級の山々に囲まれる天孫降臨の地、八百万(やおよろず)の神が坐す神話の里です。その高千穂で催される氏神様の祭り「夜神楽」をご存じでしょうか。夜神楽では、本格焼酎が「かっぽ酒」として振る舞われます。今回はそのかっぽ酒と夜神楽の祭りについてご紹介します。

 

 

 

夜を徹し 氏神様の祭り「夜神楽」

宮崎県高千穂で催される祭り「夜神楽」は800年以上も続く昔からの神事です。実りへの感謝と豊作を祈願して、神楽宿といわれる民家に氏神様を招き、夜を徹して33番の神楽を奉納します。これは、高千穂の集落を挙げて行われる一大行事の1つです。

 

 

 

 

 

 

夜神楽はいつ、どこで行われるの?

氏神様の祭りである夜神楽の例祭日は、集落により異なりますが、ほとんどの場合11月中旬から2月上旬にかけて行われます。夜神楽が催される場所は、神楽宿と呼ばれるおもてなしの民家です。現在では、民家だけではなく公共施設や神社、集会所で行われるケースもあります。

 

神々が繰り広げる壮大なストーリー

夜神楽には猿田彦命や天照大神をはじめ、『古事記』や『日本書紀』で有名な神々が登場します。神々により天孫降臨の場を固められ国造りが始まる壮大なストーリーは、見る者を引きつけてやみません。

夜を徹して33番の舞が奉納されますが、集落によりそれぞれ異なる題目や舞が披露され、それぞれに趣を楽しむことができます。

夜神楽は1978(昭和53)年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

 

 

夜神楽に欠かせない「かっぽ酒」

高千穂で行われる夜神楽は、舞に迫力があり、人々を引き込みます。氏神様を招き入れる「神楽宿」で鹿の焼肉、煮しめ、みそ汁などのごちそうが振る舞われることも。そんなごちそうに加わるのが湯気香るかっぽ酒です。

 

 

 

 

 

 

 

「かっぽ酒」とは?

高千穂の夜神楽は夜通し行われるため、時間がたつにつれ気温は低下します。夜神楽の見学に来た方も、体が冷えてしまうでしょう。そんなときにかっぽ酒が振る舞われます。「かっぽ酒を飲まんと夜神楽は見れんとよ」といわれるほど、竹杯に何度も注がれます。

 

竹筒に本格焼酎を入れ、たき火などでかんを付けたかっぽ酒。その名前の由来は、焼酎を注ぐときや竹筒を縦に戻したときに、「カポンカポン」と音が鳴るところにあります。

焼酎に竹の油と香りが溶け込んだ温かなかっぽ酒は、多くの方を温め親しまれるとともに、暖をとりながら神々と過ごす夜神楽には欠かせないものです。

 

 

高千穂にとって神々と焼酎は身近な存在

天孫降臨の地として知られる高千穂では、神事のみならず、お酒に関してもさまざまな振る舞いが日常的になされています。

 

・本格焼酎の瓶を開けたとき、家では最初の1杯を神棚に供える

・屋外の飲み会で本格焼酎を開けたときは、少量の焼酎を地面に垂らし地の神様へ届ける

・伐採や狩りなどで山に入る前に、登山口で焼酎を垂らす

 

このような、神様にお酒をささげる行為は「お神酒上げ」と呼ばれています。山に入る前のお神酒上げを怠ると、山で迷うといわれているそうです。また、気性が激しい水神様にお神酒上げを行うときは、1瓶全部ささげるか、他の神様に少しずつ供えたあと、残り全てのお酒をささげなければなりません。それぞれの神様の性格を考慮しながらお神酒上げを行う点も、高千穂ならではといえるでしょう。

 

高千穂(宮崎県)の食文化と焼酎

宮崎県の秋冬の味覚代表といえば、猪料理ではないでしょうか。猪のみそ焼きや鍋など、独特なクセのある味には香りが控えめな貯蔵芋焼酎がおすすめです。貯蔵芋焼酎を飲むときは、水少なめの水割りがよく合います。

 

芋焼酎をもっと飲みやすくしたい場合は、芋焼酎と宮崎県産の日向夏ジュースを3:7で割りましょう。芋の香りに優しさが加わり上品な味で女性でも飲みやすいカクテルになります。

 

また、宮崎県の麦焼酎は個性的な貯蔵酒があるため、風味も多彩です。洗練された芋焼酎を味わうことができます。ぜひ、芋焼酎や麦焼酎だけではなく、宮崎県の他のお酒も試してはいかがでしょうか。

 

 

おわりに

今回は神々と交わす炎のかっぽ酒と題して、宮崎県の高千穂で催されている夜神楽と宮崎県の焼酎についてご紹介しました。寒空の下催される夜神楽とかっぽ酒は、神々と交わすものというだけではなく、夜神楽を見に訪れた人々や地域住民とをつなぐ、切っても切り離せない存在です。ぜひ一度、宮崎県の高千穂へ訪れてはいかがでしょうか。

 

出展 本格焼酎&泡盛プレス2013年1月号No.96/2013年5月号No.99/2013年9月号No.101/2014年1月号No.103

 

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