本格焼酎は、米、麦芋、黒糖など様々な原料の種類があります。その中でも、日本人の主食として食べられているお米から造る本格米焼酎はお米の甘みや香りなどが感じられる味わいで日本人好みのお酒といわれています。
今回は、米焼酎と日本酒の違いや、米焼酎の特徴、歴史、飲み方などを紹介していきます。
米焼酎と日本酒の違い
米焼酎と日本酒は原料がどちらもお米と同じですが、製造方法に違いがあります。
日本酒はお米を発酵させ造られる醸造酒ですが、米焼酎は醸造されたお酒に蒸留の工程が加わる「蒸留酒」です。蒸留をすることで、お酒の揮発性成分の濃度を上げ、日本酒より米焼酎の方が高い度数のアルコールを含むことができます。
米焼酎の主産地「球磨焼酎」
熊本県南部に広がる球磨・人吉盆地で作られる米焼酎を球磨焼酎とゆわれる程、歴史と伝統があります。この地域では、多くの米の収穫、肥沃な大地、球磨川の水、盆地特有の夏は暑く、冬は寒いという気候。この四拍子が揃っていたことで芳醇な球磨焼酎が生まれました。現在は27軒の蔵元があり、多くの球磨焼酎がつくられています。蔵元には昔ながらのかめや樽が今も活躍している蔵元から、コンピュータ制御による最新式のフルオートメーション設備まで導入している蔵元もあります。製造方法は、常圧蒸留と減圧蒸留の2つの方法があります。
米焼酎の歴史
米焼酎は熊本県人吉地方で戦国時代から造られていたと言われています。この人吉地方にある盆地が米を豊富に採れる地域で、米に余裕があったので、九州に伝わった蒸留術を使い、この地域の豊富な米を使った米焼酎が製造されるようになりました。1995年には、人吉球磨地域で造られる米焼酎が正式に『球磨焼酎』として国税庁の「地理的表示の産地指定」を受け、世界に誇る銘酒ブランドとして知られるようになりました。
蒸留方法で変わる米焼酎の味わい
蒸留は、常圧蒸留と減圧蒸留に分かれています。常圧蒸留は、米の香りと味わいを引き立てる「ハードタイプ」減圧蒸留は華やかな香りと、軽やかな味わいのある「ソフトタイプ」になります。どちらの蒸留方法も爽やかさがあり、料理とともに飲むことで料理の味を引き立ててくれます。
米焼酎を美味しく味わうPoint.1 飲み方
アルコール度数は日本酒よりも高いが、お米の甘みと香りが感じられるすっきりとした味わいが特徴の本格焼酎です。なので、焼酎を飲んだことがない焼酎初心者の方にもお勧めできるお酒です。米焼酎はロックや水割りなどさまざまな飲み方を楽しめます。その中でもオススメの飲み方は、米本来の味を楽しむことのできる、“お湯わり”や、“お燗”などの温めて飲む方法がオススメです。他にも、炭酸割りなどかなり多くの飲み方ができるので、自分にあった飲み方を見つけてみましょう!
米焼酎を美味しく味わうPoint.2 料理
お米を原料とする米焼酎は、ご飯と同様に和食や和風のおつまみと相性があうので、是非、食中酒として味わっていただきたい。梅干し、明太子、つくだ煮など、ご飯にあう食材は、もちろん米焼酎にあわせても相性抜群です。また、魚介の生臭さを本格焼酎が消してくれるので、お刺身や貝類など料理にもオススメです。
米焼酎を美味しく味わうPoint.3 前割り
「前割り」とは、あらかじめ本格焼酎を水で割り、寝かせることを言います。 「前割り」を行うことで本格焼酎と水が馴染み合い、よりまろやかな味わいとなります。
本格焼酎をあらかじめ水で割ってお好みの濃さに調整し、冷蔵庫で一晩寝かせます。このひと手間で本格米焼酎がまろやかになり、お米の甘みと香りを味わうことができます!
米焼酎の代表的な銘柄
六調子酒造(株) 「特吟 六調子」
(資)宮原酒造場 「宮の誉」
(資)大石酒造場 「大石」
房の露(株) 「吟醸 房の露」
木下醸造所 「文蔵」
武の井酒造(株) 「武の井」
(株)六歌仙 「本格焼酎ごうじょっぱり」
など 日本全国で製造されています。
米焼酎は、飲み慣れていない方が多いと思います。この記事をきっかけに、米焼酎の特徴や歴史を理解した上で、3つポイントを意識して米焼酎をより美味しく味わってください!
日本酒造組合中央会
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