日本酒造組合中央会は、本格焼酎&泡盛の理解獲得および啓蒙、魅力の発信するため、「第2回本格焼酎&泡盛メディアギャザリング~世界最高峰の本格焼酎カクテルとペアリング~」を2020年11月19日に開催し、日本酒造組合中央会理事の宇都宮仁による世界における本格焼酎と泡盛の現状説明や、特別講師の後閑信吾氏による世界最高峰のバーテンダーから見た本格焼酎の魅力の紹介、そして、本格焼酎を使ったクリエイティブなカクテルと料理のペアリングを参加者に振舞った。
後閑信吾氏・前編(本格焼酎を使ったクリエイティブなカクテルと料理のペアリング)
https://www.youtube.com/watch?v=ToyCrQa2YJU
後閑信吾氏・後編(本格焼酎を使ったクリエイティブなカクテルと料理のペアリング)
https://www.youtube.com/watch?v=1dElLWMwNW4
<世界最高峰のバーテンダー後閑信吾氏から見た本格焼酎の魅力>
■カクテルにしやすい本格焼酎
12年ぶりに日本に帰ってきて、外国人のゲストをもてなす立場になったときに、日本人のバーテンダーとして、ゆずやわさびなどの海外では手に入りづらい日本の食材を使ってカクテルを提供していた。その時に、ふと、なぜ外国人にイギリスのジンやプエルトリコのラムをカクテルのベースとして使って、日本のものをベースに使っていないのだろうかと疑問に思った。
プロのバーテンダーとして日本のものならなんでもいいわけではなく、お酒の中でカクテルに一番しやすいスピリッツのある『本格焼酎』でカクテルをつくろうと思ったときに、アルコール度数やボトルデザインなどが理由ですごく使いづらかった。日本のものを無理して使うののではなく、Bar用にカクテルにしやすいものを自分で作った方が早く、そして、それがすごくポテンシャルのあるスピリッツになる可能性を感じたので「The SG Shochu」を造りました。
■Barでの本格焼酎の可能性
Barは基本的に食前と食後に使われていて、食事に行く前にBarで飲んでお腹を空かすのが食前酒で、レストランで食事をした後にBarに行って飲むのが食後酒です。食前酒と食後酒には大きなマーケットがあるのでそこに本格焼酎を持っていこうとしているのがThe SG Shochuのやろうとしていることです。
それが広まりどこの国のBarに行っても本格焼酎が飲めるようになると、さらに、元々食中酒であった本格焼酎にはポテンシャルがある。普通、ジンとかラムなどは全部食前と食後に飲まれているもので、これを食中に飲もうと思うと全然合わないことが多い。その点で言うと本格焼酎は元々日本では食中酒として飲まれているところがあるので、そこで初めて日本人が飲んでいる食中酒というアプローチができる。それほどにポテンシャルがあると考えている。
■本格焼酎を世界に広めるキーワードとは?
本格焼酎を世界に広める武器となるキーワードが「シングルディスティルド」です。日本語で「一回(単式)蒸留」という意味で、これは本格焼酎の定義なのですが、この方法で製造しているお酒は世界でほとんどない。一回蒸留の特徴は旨味が残っていて凄い複雑な味わいがある。悪く言うと、雑味もある。これは一回蒸留がすごいのではなく一回蒸留で味を仕上げる日本の酒造りがすごい。一回蒸留は日本にとってはスタンダードだけどそれが世界的に面白い特徴があるということは焼酎メーカーも知らない。
シングルディスティルドという言葉は誰も謳ってこなかったし、知られていなかったので、その言葉がまだない。しかし、このワードは本格焼酎を世界にアピールするキーワードではないかと僕らは着目している。
■カクテルペアリングとは?
元々「The SG Club」には外国人のお客さんが多く訪れてきてくれたが、新型コロナウイルス感染症の影響で旅ができなくなってしまって、外国人のお客さんも来なくなってしまい、このままいくとお店まで潰れてしまうのはないかという状況になった。そこで、架空の航空会社「SG Airways」というのを作ってカクテルと料理と音楽を通していろんな国に行ったような気分になれるというテーマで作ったのがカクテルペアリングレストラン「SG Airways」です。
8年くらい前からカクテルペアリングに興味があり、カクテルペアリングを広める活動を積極的に行ってきた。SG Airwaysでは、コース料理とともに、音楽が移り変わり、そして料理とカクテルの材料も移り変わる。カクテルペアリングは、材料の多様性やその組み合わせによる表現の豊かさがあり、その国にあった世界観を出すことができる。
<後閑信吾プロフィール>
2006年に渡米して以来、 長い海外経験で養った大胆な着想と、日本人としての繊細さを併せ持ったバーテンディングで、 新しいカクテルの世界を切り開いている。Bacardi Legacy Cocktail Competition 2012世界大会に米国代表として出場し、 劇的な最終審査を経て優勝。 2017年、 バー業界のアカデミー賞と言われるTales of the Cocktailの「International Bartender of the Year」を受賞。
2019年にはAsia’s 50 Best Barsで個人に対する最高賞「Altos Bartenders’ Bartender」を受賞するとともに、“バーインダストリーで最も影響力ある100人”を定めるBar World 100に選出される。
日本酒造組合中央会
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