本格焼酎・泡盛は、アルコール度数がどのくらいあるかご存じですか? 本格焼酎・泡盛のアルコール度数は、蒸留の仕組みと密接に関係しています。蒸留することによって、単純に度数が上がるだけでなく、味わいにも変化がでてくるのです。
そこで今回は、本格焼酎・泡盛の造り方から分かる、アルコール度数と味わいの特徴についてご紹介します。
本格焼酎・泡盛のアルコール度数はどれくらい?
本格焼酎・泡盛のアルコール度数は「酒税法」で上限が決まっており、その数値は「45度以下」です。私たちが居酒屋や酒屋で手にする本格焼酎・泡盛も、この酒税法を守って製造されています。
本格焼酎のアルコール度数は20~25度、泡盛は本格焼酎よりも少し高めの30度、古酒であれば40度くらいが一般的です。
「蒸留」の仕組みがアルコール度数を上げている
蒸留は、アルコール度数を高めるための工程といっても過言ではありません。
熱で気化させたアルコールを冷やし液体にする作業のなかで、より純度の高い成分が抽出され、アルコール度数の高いお酒になるのです。
日本で販売されるアルコール類は、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」に分類され、本格焼酎・泡盛は「蒸留酒」にあたります。
蒸留酒より醸造酒(日本酒やビール、ワインなど)のアルコールが低めなのは、酵母がアルコールに弱く、約20度で活動できなくなるからです。
蒸留方法で味わいが変わる!本格焼酎・泡盛の造り方
本格焼酎・泡盛の蒸留には、2つの方法があります。
常圧蒸留
約500年前に日本に伝わった、伝統的な蒸留方法です。
芋や麦、米などの主原料の風味が凝縮され、甘みと香りを楽しめる本格焼酎ができあがります。また、貯蔵時の熟成効果も高いため、古酒や長期貯蔵酒造りにも適しており、泡盛を造るときにも用いられる蒸留方法です。
減圧蒸留
1970年代前半に登場した、新しい蒸留方法。文字通り、蒸留器内部の圧力を下げて蒸留するため、口当たりが軽やかでソフトな味わいの本格焼酎ができあがります。米焼酎や麦焼酎を造るときに広く使われている方法です。
熟成期間でさらに味わいを調整
本格焼酎・泡盛の味わいは、「原料」「蒸留方法」などによって変化しますが、味わいの完成度を上げるのが「熟成」です。
本格焼酎・泡盛の熟成変化は、「初期熟成」「中期熟成」「古酒化期」の3段階に分けられており、時間が経つにつれて刺激臭が消え、次第に香りとまろやかさが際立っていきます。そして、3年以上熟成された古酒は、風味が濃縮された深い味わいを楽しむことができるのです。
度数の違いを楽しみながら飲めるのも、本格焼酎・泡盛の醍醐味
本格焼酎や泡盛は、プロの手によって「一番おいしい」ところまで加水調整された、ベストなアルコール度数になっています。したがって、アルコール度数が高いからといって敬遠してしまうのはもったいないでしょう。度数が高いと感じる場合は、水割りやお湯割りなどで楽しんでみませんか?
泡盛はアルコール度数の高いお酒、というイメージを持たれる方も多いでしょう。
一般的に販売されている泡盛のアルコール度数は30度前後ですが、古酒のなかにはなんと40度を超す銘柄も!そのような泡盛の古酒は、香りが高く濃厚な味わいが特徴です。
また、原料の風味をしっかり感じられる本格焼酎・泡盛は、ぐいぐい流し込むよりもじっくり楽しんでほしいお酒。ストレートやロックで腰を据えて味わうのも良いですし、ソーダ割りや焼酎カクテルなどのアレンジに挑戦すれば、本格焼酎・泡盛の新たな可能性を感じられるかもしれませんね。
おわりに
原料を伝統的な方法で蒸留する本格焼酎・泡盛は、原酒の段階ではアルコール度数が高いことが分かりました。そこに蒸留方法や貯蔵期間などの要素が加わり、一番おいしい状態で私たちのもとへ届けられています。これからは瓶に記載してあるアルコール度数などの情報を見ていただくと、飲むのが楽しくなりそうですね。
本格焼酎・泡盛は、さまざまな飲み方で楽しむことができます。ぜひ、自分好みの1杯を見つけてみてはいかがでしょうか。
日本酒造組合中央会
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