1. 株式会社 正春酒造(宮崎県)|逢初

  2. 常楽酒造株式会社(熊本県)|秋の露 蔵のこだわり

  3. 大島酒造株式会社(長崎県)|磨き大島

  4. 太田酒造株式会社(滋賀県)|単式焼酎 琵琶之誉 金時芋

  5. 松の泉酒造合資会社(熊本県)|吟醸酵母仕込 水鏡無私

  6. 姫泉酒造合資会社(宮崎県)|本格芋焼酎 無濾過御幣~紅雲~25度720ml

  7. 有限会社 渡辺酒造店(岐阜県)|わたなべ35

  8. 鷹正宗株式会社(福岡県)|本格麦焼酎(長期貯蔵) 筑紫の坊主

  9. 有限会社 山の守酒造場(長崎県)|山乃守

  10. 合資会社光武酒造場(佐賀県)|芋焼酎 お前はもう死んでいる

  11. 古澤酒造株式会社(山形県)|雪原 極上米焼酎

  12. 株式会社 宮本酒造店(石川県)|本格加賀丸いも焼酎 のみよし

  1. 飲めるお店紹介

  2. 蕎麦

  3. 居酒屋

  4. Bar

  5. 寿司・刺身

  6. 焼肉

  7. 日本料理

  8. 焼き鳥

  9. すき焼き

【後編】出張料理人ソウダ・ルアさんが描いた新焼酎の世界観に釘付け!

11月2日に開催された日本の酒情報館の「新焼酎ナイト」にイートディレクターで出張料理人のソウダ・ルアさんが登場。中央に置かれた大きなテーブルに広げた和紙の上で鹿児島と宮崎の食材を使って大地を表現。新焼酎をテーマに披露された一日限定のフードパフォーマンスに参加者の熱い視線を集めました。

新焼酎をテーマにフードパフォーマンスを披露

ソウダ・ルアさんは店舗を持たない出張料理人。日本各地を巡り、ローカルな食を料理とパフォーマンスで表現するアーティストでもあります。映画「もったいないキッチン」に出演するなど、地方と都市部の人たちをつなぎ、新しい食の在り方を実践する料理人として注目を集めています。

ルアさんのフードパフォーマンスは、その土地の自然と人々の営みの歴史を独自の世界観で表現。テーブルに広げた和紙を大きな皿に見立て、日本各地の食材を使った彩りあるソースを使って即興的に絵を描き、食材をオブジェのように飾ります。

そして今回のフードパフォーマンスのテーマは、鹿児島と宮崎の芋焼酎の新酒、〝新焼酎〟! まず披露したのは、テーブルの上に3色のソースで描いた鹿児島と宮崎の大地。大きく体を動かしながら、無言でテーブルいっぱいに描くルアさんのパフォーマンスを、焼酎を片手に参加者が見つめる様子はセッションのよう。パフォーマンスが始まると、日本の酒情報館は新焼酎を祝う、静かで充たされた空気に包まれました。

鹿児島と宮崎の食材で彩る、黒、ピンク、緑の3色のソース

ルアさんは今回、鹿児島と宮崎の食材から3色のソースを発想。醤油がベースの黒いソースは、各地で海苔が採れることからインスピレーション。そこにイカ墨を足しています。ピンクのソースは豚骨ラーメンが発想の起点ということで、豚骨スープと紅生姜、胡麻、小麦粉をペースト状に。3つめは青ねぎとあおさ、それに柚子胡椒を加えた緑のソースです。

まるで油絵を描くように即興的に描いたあとに散らしたのは、明太子と出汁でつくった明太子塩のパウダー。さらに徳之島の黒糖に、枕崎の鰹節せんべいも。

新焼酎が止まらない! 新焼酎ナイトのメニューはこちら

・生チキン南蛮 
〜黒酢ささみ、熊本のらっきょう、宮崎の卵〜
・〆鯖と薩摩揚げ
・かまぼこ
・親鳥と黄金千貫のポタージュ
・海苔、醤油、イカ墨のソース
・紅生姜と豚骨出汁のソース
・柚子胡椒、ねぎ、あおさのソース
・明太子塩
・徳之島の黒糖
・枕崎の鰹節せんべい

メインの黒酢ささみは、宮崎のチキン南蛮をイメージ。ささみを黒酢でマリネして、ゆっくり低温で調理したものにらっきょう、紅生姜とゆで卵でつくったタルタルソースをのせて提供。このゆで卵たっぷりのタルタルソースが、蒸留したばかりの新焼酎のクセのある硫黄臭とよく合い、心地いい飲み心地に。

もう一品、大人気だったのが親鳥と黄金千貫のポタージュ。芋焼酎の原材料である黄金千貫は甘みが少なくあっさりしているので調理には不向き。そこで親鳥を食べる文化があるということを知り、あえて親鳥を使用。長時間炊いてとったコクのあるスープと合わせると絶妙なバランスに! さらに黄金千貫をそのまま味わってほしいと、塩とこしょうのシンプルな味つけに仕上げたことで、新焼酎の野趣あふれる風味を引き立てていました。

ルアさんの料理はビジュアルの美しさだけでなく、新焼酎に合わせたなんとも練り込まれた料理ばかり。蒸留仕立ての芋焼酎のフレッシュな香りや味わいをしっかり受け止め、料理と合わせることでスムーズな飲み心地に。会話も弾みます。

ソウダ・ルアさんが考えた新焼酎×アート×食

「新焼酎は鹿児島と宮崎がメインなので、そのふたつのエリアの素材と郷土料理をモチーフにしました。蒸留したての香りが特徴なのでその香りをスポイルしないよう、オイルを極力使わないように構成しています」と今回の構想を語るルアさんに、ふと思いついて、黒糖を使った理由をおたずねしました。

「鹿児島産の黒糖を使いたかったというのもありますが。今回、焼酎に合うように全体的に塩をしっかり効かせたので、〝緊張と緩和〟として加えてみました。一口、黒糖を挟むとまたどれかのソースを食べたくなり、焼酎を飲むとまたおいしい。というループをイメージ。あと、めっちゃ焼酎に合うんですよね。黒糖って!」。

緊張と緩和! まさに新しくできたばかりの焼酎が注がれたときの緊張感と、飲んだときにほっこり和むゆるんだハート。ルアさんの料理は新焼酎の世界観をも描いていました。新焼酎をはじめて口にしたときのように刺激的で、鹿児島と宮崎の大地がダイレクトに伝わりました。

本来は、山や海など自然の中で披露するルアさんのフードパフォーマンス。「僕のアートの本領は、自然の中でそこから得たものをみんなと一緒に身体の中に取り込み、自然と人、人と人との境界線がなくなるところ。いつか、ぜひ、体験していただきたいです!」。

ソウダ・ルアさんの映像作品
香川県 父母ケ浜 2018 「春の海と夕日」

撮影・Cindy Bissing
取材・神吉佳奈子